巣ごもり経済の拡大に伴い、消費財メーカーは急増する需要への対応を迫られています。
ここ数週間、Pelotonは配送の遅延に不満を抱く顧客の声が相次ぎ、対応のため、この家庭用フィットネス機器メーカーはサプライチェーン関連支出が大幅に増加してしまいました。 需要に応じてタイムリーに生産することの難しさに直面する一方で、輸配送の遅延も大きな課題の一つとなっていました。
多くのグローバル荷主企業がサプライチェーンの可視化を自社のテクノロジー基盤に取り入れ始めており、輸送の進捗を確実に管理しながら、顧客に最新情報を提供する取り組みが急速に加速しています。
Electroluxはproject44と共催したオンラインセミナー「Electroluxがリアルタイム輸送可視化で業務を最適化する方法」にて、なぜ可視化を優先事項としたのか、そしてリアルタイムかつ予測型のソリューションをどのように導入し始めたのかについて紹介しました。
本オンラインセミナーでは、Electroluxの欧州輸送アプリケーションITマネージャーであるジュゼッペ・デ・ヴィンチェンツィ氏、Flo Groupのセールスディレクターであるレイモンド・ヴァン・カンペン氏、そしてproject44の戦略アカウントディレクターであるマイケル・ステケレンブルフが登壇しました。
以下に、対談のハイライトをご紹介します。
サプライチェーンの可視化はもはや選択肢ではない
数年前まで、project44のようなサプライチェーン可視化プロバイダーは、リアルタイム可視化の重要性を啓蒙してきました。 しかし、その時期は終わりました。 今では、顧客は輸配送状況のリアルタイムかつ予測的な洞察を求めており、経営層はサプライチェーン全体の輸配送活動を統合的に把握することが求められています。
「市場は、B2CであれB2Bであれ、リアルタイムの可視化を求めています」と、project44のステケレンブルフは説明します。 「トラックや貨物の現在地を把握できることはもちろん重要ですが、可視化の価値はそれだけではありません。」
ステケレンブルフは、また、高い精度かつ予測的な可視化の洞察により、業務効率の向上、安全在庫の低減、遅延によるペナルティの削減、そして顧客体験の向上が実現できると述べています。 そして、これらの価値を得るには、いくつかの条件が必要であることを説明しました。
「すべての輸送モードと地域にわたる可視化が必要です。可視化をすることで、リアルタイムかつSSOT(信頼できる唯一の情報源)を確保できます」とステケレンブルフは語ります。 「次に、例外事象に焦点を当てることが重要です。例外事象が発生した際に通知を受け取ることで、状況に迅速に対応し、遅延の可能性について顧客に事前に情報を提供できます。そしてこれは、直感的に使える仕組みであることが求められます。」
Electroluxがサプライチェーンの可視化を活用する方法
Electroluxがサプライチェーンの可視化を導入した理由は、多くのグローバル荷主が抱える課題と共通しています。
デ・ヴィンチェンツィ氏は次のように語ります。「リアルタイム追跡を活用して業務効率を向上させたかったのです。また、予測精度を高めることも目的でした。 project44のようなソリューションを検討し始めた当初、私たちは工場からの配送にリアルタイム可視化を適用していました。特に混載配送に重点を置いています。」
Electroluxは、project44のキャリアネットワークと接続することで、自社の記録システムからリアルタイムデータをシームレスに取得できるようになりました。
「キャリアはGPS情報や使い捨てGPS機器の提供元であり、それらの情報を使って製品の追跡をします。特に複数の輸送モードを組み合わせたルートでは、メイントラックではなくトレーラー自体を追跡する必要があるケースもあり、これは非常に重要です」とデ・ヴィンチェンツィ氏は説明します。 「project44は、こうした情報をOTM(Oracle Transportation Management)の標準形式に統合し、当社のアプリケーションと連携できる形で提供してくれます。」
Electroluxは、サプライチェーン可視化を日々の業務に組み込むことで、コスト削減や業務効率の向上だけでなく、顧客体験の強化も実現しています。
サプライチェーン可視化を成功させる構成
プロアクティブ戦略を採用するグローバル荷主であれば、サプライチェーン可視化の効果を迅速に実感することができます。 Electroluxは、Flo Groupと連携し、project44の可視化ソリューションをOracle Transportation Management(OTM)システムと統合し、最大限の成果を引き出すためのカスタムアプローチを構築しました。
「多くの企業がリアルタイム可視化を求めていますが、データをシステムに取り込んだ後、そのデータをどのように活用すればよいのか分からないケースが少なくありません」とヴァン・カンペン氏は指摘します。 「リアルタイム可視化を導入・実装する前に、そのデータを社内および顧客向けにどのように活用するかを明確にする必要があります。」
例えば、データへのアクセス方法には、project44の可視化プラットフォームを利用する方法、TMS(輸送管理システム)を介する方法、またはその両方を組み合わせる方法など、さまざまな選択肢があります。 Flo Groupは、荷主がデータの活用目的に応じて最適な技術構成を設計できるよう支援しています。
ヴァン・カンペン氏は次のように述べています。「私たちが直面する最大の課題の一つは、可視化があらゆる問題を解決する万能のソリューションだと考えられがちなことです。確かに問題解決に有効な手段ではありますが、同時にデータの扱い方を理解することも不可欠です。システムにデータを取り込んだ後、それを日々の業務でどのように活用するかが重要です。」
可視化そのものと同様、あるいはそれ以上に、データの品質とその活用方法が重要です。 キャリアネットワークとの接続や、高精度のAPI、ELD/テレマティクスとの連携を活用することで、グローバル荷主はサプライチェーンを変革し、将来の顧客ニーズに対応できるようになります。
Electroluxがproject44を活用してサプライチェーンの可視化を実現している詳細については、オンラインセミナーのオンデマンドビデオをご覧ください。